近年、毎年のように天気予報で『100年に一度の〇〇』と、大雨や台風、日照りなどがやってきます。果樹園さかもとの柑橘は、全て露地栽培。ハウスでの栽培と違い、自然環境の影響をダイレクトに受けるので、収穫量や木の健康状態がその年や前年の気候に左右されます。2021年も年明け早々の大寒波からはじまり、すでに近年まれにみる過酷な状況なことが予想されます。
まさか文旦…仏手柑まで!?
ご存じのように果樹園さかもとの小夏は、2021年1月の寒波で最低気温がマイナス5℃前後の朝晩を木の上で越しました。かなりの数が木から落ち、収穫後も1つ1つの重さを計測し注文をキャンセルさせていただくなど大変な状況になりました。
「小夏は寒さに弱いからな~」と、話していました。しかし、ダメージは文旦や仏手柑(ぶしゅかん)という比較的寒さに強い品種にも大きなダメージがあったのです…。
枝が茶色く枯れ、花(芽)も少なく、今年の文旦は収穫量90%減?と絶望にも近い予想も頭をよぎりました。実際、高知県の文旦の産地では花が咲かずに交配作業が1日もかからず終了したという話を聞きました。幸い、果樹園さかもとでは多くはありませんが、花が咲いてくれて平年よりかなり少ないとは思いますが一定の収穫量はありそうです。
仏手柑は、家庭で消費するだけなので問題はありませんが、ここまでのダメージは初めて見ました!!
自然栽培は転機を迎える
果樹園さかもとでは、一部の圃場(山)で自然栽培に取り組んでいます。農薬や化学肥料を使用していないので、小さいお子さまやアレルギーをお持ちの方にも優しく、環境への負荷も限りなく小さくできます。約5年、私なりに勉強し、研修会にも参加してチャレンジしてきて、多くの方にご好評いただいているのですが、今年はこれまでで1番の試練の年となっています。
昨年の秋~冬にかけての乾燥やダニ・黒点病などの病害虫の影響で葉が落ち、樹勢も一気に低下しました。さらに、1月の寒波、春の低気温&乾燥が追い打ちをかけて葉が落ちて、自然栽培のポンカンについては収穫量が計算できない状態です。
どちらも、自然栽培でさらにNPO法人タイガーマスク基金さんとのコラボをさせていただいています。売上げの一部を児童養護施設から大学へ進学した学生の奨学金として、毎年寄付させてもらっていてるのですが、どちらも、活動継続ができるのか、自然栽培を続けていけるのか不安定な状況です。
今後の方針は
厳しい自然環境の影響で、弱った木をどうするか?100年後も継続する事業として対応方法を考えています。慣行栽培(基準以下の農薬・化学肥料を使用する栽培)は、樹勢の回復を待ちながら栽培管理を継続していきます。
自然(に近い)栽培は、有機栽培への切り替えも検討しています。有機栽培にも使用できる自然由来の農薬を使用する必要があるかもしれません。何故なら、柑橘栽培を生業としてビジネスとして成立させる必要があるからです。楽しみに待っていただいている方、毎年購入してくださるお客さま、収穫等の作業に働きに来てくれる仲間、支援をしている学生たち、すでに多くの方への“責任”が私の肩にのっています。
その期待や責任はプレッシャーでもあり、私の原動力でもあるのです。栽培している柑橘を全滅させる訳にはいかないし、周囲で栽培されている方へ病害虫を広げる訳にもいきません。時間はありませんが、私のチャレンジには軌道修正が必要です。SNSやこのブログでも発信していきますので、ご理解や応援ください!!