野生生物との共存

果樹園さかもとがある高知県須崎市…だけでなく、人口が少なく自然が豊かな地域では全国的に野生生物の農業被害が多く報告されています。私がこれまで生きてきた中で、これだけ多くの種類の生物と隣り合わせで生活したことはありません!!皆さまにお届けしている品物が、いかに生き残って貴重なものなのか知っていただけたら嬉しいです。

ふれあい動物園!?

こちらに移住してくるまで、アスファルトや建物だらけの場所で普段見ることができる動物といえば、猫や犬、カラスやハトくらいで、繁華街でネズミを見て驚いたくらいでした。他の動物は、ほとんどが人、人、人…。

それが当たり前だったのですが、8割以上が山で周りを海に囲まれた場所で生活をしてみると、タヌキやハクビシン、イノシシやウサギ、トンビやハヤブサ、カッコウにホトトギス、少し離れたところにはサルやシカも。他にも多くの生き物と共存していることを感じます。

互いの生活圏(巣やなわばり)がとても近いので、衝突することも多々あります。車にひかれてしまったり、散歩中にバッタリなんてことも。私も、竹藪でふり向いたらキジが後ろにいました。まるで、動物園のふれあい広場。

草むらに隠れる野うさぎ

果樹園の被害

野生動物を見て、「かわいい~」とか「珍しい」となっていたのは移住してきて数週間だけ…。実際に生活をしてみると、とても大きな被害があることが分かりました。イノシシはエサを食べる際に山を大きく崩し、ウサギは苗木の新芽をかじり成長を大きく遅らせます。

しかし、柑橘農家にとって一番やっかいな生き物は『鳥』です。

特にカラスは頭もよく、張りめぐらせたテグスをかいくぐり、時には地上を歩いて下からも侵入してきて、木になる果物を食べつくします。しかも、美味しくなる時期を人間よりも正確に見極めて。

今年の小夏は、収穫量が例年よりかなり少なかったのですが、その原因もカラス。山へ行くたびにみるみる減っていく小夏を見て、怒りをとおりこして絶望すら感じました。来年は、さらに万全な対策を練って守りきります!!

食い散らかされた小夏
袋ごと食い破ります
テグスが張りめぐらされています

ジビエは命がけ

昨年末から、一頭のイノシシが果樹園さかもとの山に住みつきました。まだまだ小さな(といっても60㎏オーバー)のウリ坊。草刈りや作業で人間が山へ行けば出ていくだろうと思っていたのですが、居心地がよいのか出ていく気配はありません。

人にも慣れているのか、ジッとこちらを見ているではありませんか!走って追いかけてもかなう訳もなく…。山をグルグルと走り回っているだけです。

近所でも犬を散歩させていた方が、イノシシに遭遇して襲われ、救急車で搬送、十数針縫う大けがをされたという話も聞いていました。それほど、この野生生物は危険なのです。万が一にも刺激してしまうと、命の危険もあります。実際、通学路のすぐそばに鼻息の荒いイノシシがいたことも。

少し前に、ダムから出られなくなったイノシシを救出して山に帰すというのをニュースで見ました。危険や被害を知っている私たちからすると、「なぜ帰すのだろう?」と思いました。危ないのにな…と。

私たちの近くには幸いにも、罠で捕獲してくれる方がいます。それは、【駆除】でもあり、【ジビエ】でもあります。捌いて食用にするのを見た家族は、まだ温かい肉を持ち感動していました。たくさんの木の実や美味しい柑橘を食べて育ったイノシシの肉は、とても美味しいんです。

あまりにも美味しいので、猟師さんに「売らないんですか?」と聞いたところ、「神さまがくれたものだから商売にはせん!」と言われました。(駆除の証明“尻尾”で稼いでいると笑っていましたが)

果樹園さかもとの山に住みついた、この個体は収穫作業の際に人を傷つける可能性がある為、専門家に駆除を依頼しました。銃での殺処分も検討されましたが、危険なこととまだ小さい個体である為、猟犬により処分されました。

住みついたいイノシシイノシシ
イノシシのおnににkにく肉肉

共存

というように、果樹園さかもでは厳しい自然環境だけではなく、野生生物ともたたかっています。それは、打ち負かすものではなく、そこにあり、共存していくもの。もともとは、人間があとからやってきて勝手に生活させてもらっているのかもしれませんしね。

うまく共存し、なるべく“みかん”を食べられないように工夫していきまーす。

野生生物も食べつくすほどに美味しい小夏もあと僅か!!
https://sakamotokaju.thebase.in/

野生生物ではありません